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2026 追記: 旧 VuePress ブログから移植した記事。HD 598 SR は Amazon 限定色(黒)の派生モデルで、2026 年時点では新品流通がほぼ終了している(要出典)。後継系として開放型は HD 599 / HD 560S が現行ラインに残っている。レビュー観点(開放型の音場・装着感・密閉型との使い分け)は今も参考になるはずなので、骨子はそのまま、表現と構成だけ整えた。

仕事と私用で長く使ってきた開放型ヘッドホン、ゼンハイザー HD 598 SR を改めてレビューする。

開放型を選んだことが無い人にとって最初の壁は「音が漏れる・外の音も入る」という点で、ここを許容できるかどうかで評価が真っ二つに割れる。逆にそこを許せる環境(自宅の自室・在宅作業)なら、同価格帯の密閉型より素直に音楽を楽しめる選択肢になる。

結論 — 自宅据え置きで使うなら今でも実用

短い答え: 開放型らしい広がりと長時間装着の楽さが強み。代わりに遮音性ゼロ・音漏れ前提で、外や家族と同じ部屋で使うには向かない。

理由は3つ。

  • 音場が広い: 開放型のため、頭の中で鳴る感じが薄い。映画・配信・ライブ音源で効く
  • 掛け心地が軽い: 側圧が強くなく、耳をすっぽり覆うオーバーイヤー型なので長時間でも疲れにくい
  • イヤーパッドが脱着可能: 掃除と交換がしやすく、長期運用に向く

逆に以下に当てはまる人は別機種を勧める。

  • 通勤や外でも使いたい人: 開放型は音漏れと外音流入が大きく、公共空間では使えない
  • 同居人と同室で深夜も聴く人: 隣に座っている人にうっすら聞こえるレベルの漏れがある
  • ワイヤレスが前提の人: HD 598 SR は有線のみ。Bluetooth 非対応

外観と付属品

短い答え: 黒基調で落ち着いた印象。Amazon 限定色なので、クリーム色の通常版 HD 598 が苦手な人向け。

Sennheiser HD 598 SR 正面

HD 598 SR は Amazon 限定の派生色で、通常版 HD 598 のクリーム色が黒に置き換わったモデル(要出典)。インテリアや在宅ワーク環境に合わせやすいのは SR のほうだと思う。

Sennheiser HD 598 SR 右側面、ロゴ

ハウジングは縦長の楕円。一般的な丸型ヘッドホンに慣れていると最初は違和感があるが、耳の形に沿うので装着すると素直に収まる。

Sennheiser HD 598 SR 下部、ケーブル接続端子

ケーブルは着脱式で、右側のハウジング底面から生える。断線時にケーブルだけ交換できるのは長期運用上ありがたい。

付属品は以下。

付属品

  • 3m / 6.3mm ステレオ標準プラグケーブル(据え置きアンプ・オーディオインターフェース向け)
  • 1.2m / 3.5mm ストレートプラグケーブル(PC・スマホ向け)
  • 6.3mm → 3.5mm 変換プラグ
Sennheiser HD 598 SR 上部、左右表示

ヘッドバンドの内側はクッション入り。L / R 表記も内側にあり、暗い部屋でも触ればわかる。

Sennheiser HD 598 SR ヘッドバンドの長さ調整

長さ調整は無段階に近い構造で、頭が大きめの人でも問題なく収まる(画像は最大伸長時)。

良かった点

短い答え: 音場の広さ、長時間の掛け心地、メンテのしやすさの3点が特に効く。

開放型らしい音場と素直なバランス

HD 598 SR は開放型なので、密閉型にありがちな「頭蓋骨の内側で鳴る詰まった感じ」が少ない。スピーカーで聴いているような空気感がある。

低音は開放型の構造上どうしても密閉型より弱くなる傾向だが、HD 598 SR は必要量はきちんと出ている。ベースやキックが埋もれることはなく、ジャンルを問わず破綻しない。

EDM やヒップホップなど低音で押し切る音楽を主食にする人には不向き。それ以外(ボーカル系・アコースティック系・映画・ゲーム)では素直に楽しめる。

オーバーイヤー型で長時間でも疲れにくい

耳を完全に覆うオーバーイヤー型 + 開放型 + 適度な側圧、という組み合わせで、装着疲労が少ない。

イヤホンや密閉型と違って耳の中・耳の周りに熱がこもらないので、夏場でも比較的快適。在宅作業で半日付けっぱなしにしてもストレスが少ない。

イヤーパッドが工具なしで脱着できる

Sennheiser HD 598 SR イヤーパッドを外した状態

イヤーパッドはロゴを下にして垂直に引き抜くと外れる(カチッと音がする)。掃除・交換が容易で、長く使うほどこの作りに助けられる。

数年使った後にイヤーパッドだけ交換すれば、本体はそのまま延命できる。Sennheiser は HD 598 系の交換用パッドを長く供給してきた(要出典)。

微妙だった点

短い答え: 開放型ゆえの遮音ゼロと、有線のみ・現行では入手難という運用上の制約。

遮音性ゼロ — 外でも夜でも使いにくい

開放型の構造上、音漏れと外音流入はほぼフルに起きる。

  • 隣の人にうっすら音が聞こえる
  • 外の声や生活音が普通に入ってくる
  • ノイズキャンセリングは当然非搭載

これは設計上の特性で、欠点というより「向いていない使い方」を確認しておく必要がある項目。自宅の自室で一人で使う前提なら問題にならないが、オフィス・カフェ・寝室の隣に家族、といった環境ではそもそも選んではいけない。

有線のみ・Bluetooth 非対応

2026 年の主流はワイヤレス。HD 598 SR は有線専用で、PC・据え置きアンプ・スマホに直接刺す前提。

スマホ側に 3.5mm 端子が無くなった現代では、USB-C / Lightning DAC を挟むひと手間が要る。

価格帯と現行入手性

執筆当時の実売は約2万円前後(要出典)。エントリー価格帯ではない。

加えて 2026 年時点では新品流通がほぼ終了しており、新品で買いたい人には選びにくくなっている(要出典)。後継系の HD 599 / HD 560S を素直に検討するのが現実的。

比較: 開放型 HD 598 SR vs 同価格帯の密閉型 / ワイヤレス

短い答え: HD 598 SR は「自宅で据え置き・有線・音場優先」のときに勝つ。それ以外なら別カテゴリのほうが快適。

観点HD 598 SR(開放型・有線)同価格帯の密閉型同価格帯のワイヤレス(NC 付き)
音場の広がり広い狭めモデルによる(一般に狭め)
低音の量感必要十分強い強い(DSP 補正前提)
遮音性なし(開放型)高い高い(NC 込み)
音漏れ大きい小さい小さい
装着疲労(長時間)少ないこもりやすいバッテリ重で重め
ケーブル有線のみ有線中心無線中心
屋外・通勤利用不可最適
自宅在宅作業最適可(充電必要)

HD 598 SR の勝ち筋は「自宅・自室・有線で OK・音場が広いほうがいい」という、絞り込めば狭い領域。逆にこの条件にハマる人にとっては、同価格帯の密閉型や安価なワイヤレスより明確に音楽体験が良くなる。

通勤や外で使う想定が少しでもあるなら、最初から密閉型かワイヤレス NC を買ったほうが後悔が少ない。

よくある質問

Q. スマホに直接挿して使えますか? A. スマホ側に 3.5mm 端子があれば 1.2m ケーブルで直挿し可。最近の機種は 3.5mm 端子が無いものが多いので、USB-C / Lightning の DAC アダプタを別途用意する必要がある。インピーダンス的にはスマホ直挿しでも十分鳴る部類(要出典)。

Q. 密閉型ヘッドホンと比べて何が違いますか? A. 一番違うのは「音場」と「遮音性」。HD 598 SR のような開放型は、スピーカーで鳴らしたような空気感があり、頭の中で音が詰まらない。代わりに音漏れ・外音流入が大きい。密閉型はその逆で、遮音性が高く低音もしっかり出るが、長時間装着で耳がこもりやすい。家の自室で一人で聴くなら開放型、外や同室の人がいる環境なら密閉型、という使い分けになる。

Q. ワイヤレスヘッドホンと比べてどうですか? A. 音質傾向は別物として、運用面の差が大きい。ワイヤレスは充電・接続・遅延の管理が必要で、その代わりケーブルが無い自由がある。HD 598 SR は有線なので充電不要・遅延ゼロ・接続安定だが、ケーブルが常に付きまとう。在宅作業で席に固定して使うなら有線のほうがむしろ楽、というケースは多い。

Q. 長時間つけても疲れにくいですか? A. オーバーイヤー型 + 開放型 + 軽めの側圧という組み合わせで、装着疲労は同価格帯の中では少ない部類だと感じている。耳を中に押し込むイヤホンとは違い、耳の周囲を覆うだけなので圧迫感も少ない。とはいえ個人差があるので、可能なら店頭で 10〜15 分試着してから決めるのが安全。

総評 — 「自宅で据え置き」と割り切れる人向け

HD 598 SR は、用途を絞れば今でも実用に足る開放型ヘッドホン。

向いているのは、自宅の自室で在宅作業・音楽・映画・ゲームをじっくり楽しむ層。広い音場と長時間の掛け心地、メンテのしやすさが効いてくる。

向いていないのは、外で使いたい人・同室の家族と時間を共有する人・ワイヤレス前提の人。これらの用途では構造上どうしても勝てない。

新規購入を検討するなら、2026 年時点では新品流通が細っているので、後継ライン(HD 599 / HD 560S)も同時に見ておくと選択肢が広がる。中古や在庫品を狙うなら、HD 598 SR は「黒い HD 598」というだけで音は通常版と同等なので、色の好みで選んでよい(要出典)。